第3回ノミネート 2012

No.5  平原優美

”市民の生活と希望を支える笑顔のリーダー”

現在の職業:
日本訪問看護財団立あすか山訪問看護ステーション 統括所長

推薦文:
私たちは、2012年度ナースオブザイヤーに平原優美さんを推薦します。
推薦の理由は、彼女の存在がナースオブザイヤーの趣旨「患者本位の医療の実現のために患者の傍らに寄り添う看護師」そのものだからです。

平原さんは、現在訪問看護ステーションの統括所長として、患者(利用者)さんのご自宅へ訪問し、利用者と家族の希望に沿った看護を提供するとともに、ステーションの管理者とスタッフ教育や運営を行っています。ステーションが所在する東京都北区を中心に、地域住民が安心して過ごせるよう、多職種のみなさんと情報交換や勉強会を積極的に取り組んでいます。

平原さんは、管理者になる直前に訪問看護認定看護師教育課程で認定看護師になるための教育を受け、卒業直後に現在のステーションの管理者になり、認定看護師としての実践・指導・相談活動を始めました。今から約7年前のことです。平原さんが管理者に就任当時、ステーションの経営は厳しいものでした。彼女がまず明らかにしたのはステーションの経営理念で、「どんな依頼も断らない(家に帰りたい方をすべて受け入れる)」でした。これは平原さんが実践したい看護であるとともに、地域住民の願いそのものでした。それを唱え続けることで、スタッフも同じ目標に向かって看護を実践でき、少しずつスタッフが増えました。

スタッフが増えることで受けられる利用者も増え、平原さんが管理者就任後約3年で利用者約140人、スタッフ17人の大規模ステーションとなりました。この機会に平原さん自身はさらなるキャリアアップと日々の訪問看護の質向上を目指し、在宅看護専門看護師になるための大学院に進学しました。修了後は大学とのネットワークも広がり、看護系大学等教育機関や専門・認定看護師教育課程の実習施設として場を提供し、実習生やスタッフの交流等により、さらなる質の高い看護実践の支援をしています。

平原さんの魅力は看護実践であることはもちろんですが、さらにはその人柄です。彼女はいつも自然体な笑顔で、平原さんの存在は、利用者だけでなくスタッフや上司までみんなが幸せな気持ちになります。今これを読んでいる方も一度彼女に会えば私の言うことに納得できるはずです。

日本は高齢社会・多死社会となり、住み慣れた地域で最期までその人らしく生活するには訪問看護の存在は不可欠です。しかし現在働く看護師のうち訪問看護師は3%しか存在せず、これでは地域で安心してくらせません。なぜ訪問看護師は増えないのでしょう?病院で勤務している看護師や市民の方に、私たち訪問看護師自身がどんなことができるのか、役割モデルを明らかにできないことも一因かもしれません。だからこそ、平原優美さんの存在を市民のみなさんに知っていただきたいです。

平原優美さんこそ、日本の訪問看護・在宅ケアの未来を担うリーダーです。

投票する